大阪市の街並み
OSAKA METROPOLIS PLAN × REAL ESTATE
2026 / OSAKA CITY REPORT

大阪都構想で、
大阪市の不動産市場はどう変わる? 4特別区案・副首都構想・地価・再開発を、 村上 諒恭が不動産の視点から考えます。

2026年、 再び「大阪都構想」という言葉を ニュースで目にする機会が増えました。 では本当に制度が変わった場合、 大阪市のマンション、 土地、 店舗、 一棟ビル、 収益不動産の価値はどう変わるのでしょうか。 「都になれば地価が上がる」 「大阪市がなくなれば資産価値が下がる」 と単純に判断できる話ではありません。 今回は心斎橋不動産の村上 諒恭が、 2026年10月時点で確認できる制度案と 現在の大阪市の不動産市場を分けながら、 不動産所有者として何を見るべきかを整理します。

大阪都構想 副首都大阪 4特別区案 大阪市不動産 大阪地価 中央区 西区 心斎橋 担当 村上 諒恭
DIRECT ANSWER

大阪都構想で 不動産価格は上がる?

現時点で、 「大阪都構想が実現すれば大阪市の不動産価格が上がる」 と断定できる根拠はありません。

不動産価格を実際に動かすのは、 駅への距離、 人口、 世帯数、 企業立地、 店舗需要、 賃料、 再開発、 交通インフラ、 金利、 建築費など多くの要因です。

一方で、 都構想によって広域的な都市計画や インフラ整備の行政主体が変わり、 さらに副首都指定に伴って 国の機関や民間投資、 規制緩和、 都市整備が進むのであれば、 中長期的には不動産需要へ影響する可能性があります。

重要なのは、 「都構想そのもの」を価格材料にするのではなく、 制度変更によって実際に何の事業が動くのかを見ることです。

CURRENT STATUS

まず確認したい。 大阪都構想は今どうなっている?

2026年10月時点では、 特別区設置はまだ決定していません。 現在は大阪府・大阪市が 新しい大都市制度の具体的な制度設計を 協議している段階です。

CONFIRMED

現在決まっていること

  • 2026年6月に法定の大都市制度協議会を設置
  • 大阪市を4つの特別区へ再編する区割り案を決定
  • 広域行政は大阪府へ集約する方向で制度設計
  • 住民に身近な行政は4特別区が担う方向
  • 2026年7月に副首都法が成立・公布
  • 10月1日までに協議会を10回開催
NOT FINAL

まだ確定していないこと

  • 特別区の正式名称
  • 特別区設置協定書の最終内容
  • 最終的な財源配分
  • 財産・債務の最終的な承継内容
  • 住民投票の正式な実施日
  • 特別区の設置日
  • 大阪府が「大阪都」へ名称変更するか
IMPORTANT

「大阪都構想は決まった」 という段階ではありません。

現在は制度案を作っている途中です。 特別区設置協定書がまとまり、 大阪府議会・大阪市会で承認された場合に、 特別区設置について住民投票へ進む手続きとなります。 不動産の売買判断で、 まだ成立していない制度を確定事項として 織り込まないことが大切です。

BACKGROUND

「3回目」と言われる理由。 過去2回は住民投票で反対多数でした。

大阪の特別区制度については、 これまで2015年と2020年に 大阪市民を対象とする住民投票が行われています。

2015年5月17日の住民投票では、 賛成694,844票、 反対705,585票。

2020年11月1日の住民投票では、 賛成675,829票、 反対692,996票でした。

いずれも反対票が上回り、 特別区は設置されませんでした。

2026年に改めて制度設計が進んでいるため、 一般には 「3回目の大阪都構想」 と表現されることがあります。

ただし、 現在正式に進められている名称は 「副首都・大阪にふさわしい大都市制度」です。

今回は「副首都」という新しい要素があります。

2026年7月、 国において副首都に関する法律が成立しました。

副首都には、 東京圏で大規模災害などが発生した際の 首都中枢機能のバックアップだけでなく、 平時には経済成長をけん引する役割も 想定されています。

国の機関等の拠点整備、 都市機能を高めるまちづくり、 規制緩和、 民間投資促進などが 政策メニューとして検討されています。

不動産市場から見れば、 実はこちらの方が重要です。

名称が「府」なのか「都」なのかより、 実際にどのインフラが整備され、 どこへ企業が進出し、 どこに住宅・店舗・ホテル・オフィス需要が 発生するのかを見る必要があります。

NEW FOUR WARDS

現在の24区を、 4つの特別区へ。

2026年8月の協議会で、 現在の大阪市24行政区を 次の4区域へ再編する区割り案が決まりました。 特別区の正式名称はまだ決まっていません。

01

第1区案

人口約52.8万人。 新大阪周辺と大阪市北西部、 ベイエリアの一部を含む区域です。

此花区・西淀川区・淀川区・東淀川区
02

第2区案

人口約71.4万人。 梅田を含む北区から 京橋・城東・鶴見方面までを含みます。

北区・都島区・福島区・旭区・城東区・鶴見区
03

第3区案

人口約68.4万人。 心斎橋・なんば・本町・堀江と、 大阪港・南港方向まで含む非常に広い区域です。

中央区・西区・港区・大正区・浪速区・住之江区・西成区
04

第4区案

人口約88.3万人。 天王寺・阿倍野から 大阪市東部・南東部の住宅地域まで含みます。

天王寺区・東成区・生野区・阿倍野区・住吉区・東住吉区・平野区
御堂筋と大阪市中心部
OSAKA MARKET NOW

都構想の前に、 大阪の地価はすでに上がっています。

不動産市場を考えるうえで 最も注意したいのは、 現在の地価上昇を 「都構想への期待」と混同しないことです。

OSAKA PREFECTURE
+3.0%

住宅地

2026年大阪府地価調査における 住宅地平均変動率。

OSAKA PREFECTURE
+8.8%

商業地

2026年大阪府地価調査における 商業地平均変動率。

SHINSAIBASHI
+19.5%

西心斎橋の標準地

2026年地価公示。 心斎橋駅周辺の強い店舗需要が 背景の一つです。

KITAHORIE
+18.6%

北堀江の標準地

2026年地価公示で 大阪市内でも高い上昇率となった 地点の一つです。

REAL ESTATE FACT

現在の大阪市中心部の地価上昇は、 都構想が成立した結果ではありません。

観光客・来街者の増加、 店舗・ホテル需要、 マンション需要、 再開発、 建築費上昇、 投資需要など、 複数の要因が現在の不動産市場を形成しています。 政治制度のニュースと 実際の市場データを分けて考えることが重要です。

REAL ESTATE IMPACT

では実現した場合、 不動産へ何が影響する?

01

広域的なまちづくり

現在の制度案では、 まちづくりや都市基盤整備などの 広域行政を大阪府へ一元化する方向です。 大規模開発や交通インフラの意思決定が どのように変わるかが重要です。

02

副首都関連投資

副首都指定によって 国の機関、企業、都市機能、 インフラ等への投資が実際に動けば、 オフィス・住宅・ホテル・店舗需要へ 波及する可能性があります。

03

民間投資

規制緩和や投資促進策が具体化すれば、 再開発や企業立地の判断材料となります。 ただし、制度があるだけで 投資が自動的に増えるわけではありません。

04

行政区のブランド

現在の「中央区」「西区」「北区」などの 行政区名が将来変わる可能性があります。 不動産ポータルや住所検索、 エリア認知にも一定の移行期間が考えられます。

05

行政サービス

生活道路、学校、保育、戸籍等は 特別区が担う方向です。 住環境の評価につながる行政サービスが 実際にどうなるかは 最終制度を確認する必要があります。

06

財政配分

特別区と大阪府の税源・財政調整は 不動産市場にも間接的に関係します。 ただし2026年10月現在、 詳細な制度設計は協議中です。

CHUO-KU × NISHI-KU

心斎橋・中央区・西区は 第3区案へ。

心斎橋不動産が日々見ている 心斎橋、 南船場、 本町、 北堀江、 南堀江、 新町、 四ツ橋周辺。

現在の4区案では、 中央区と西区はともに 「第3区」となる区域に含まれています。

第3区案には、 中央区・西区だけでなく、 港区、 大正区、 浪速区、 住之江区、 西成区も含まれています。

同じ特別区になっても、 不動産市場まで一つになるわけではありません。

ここは特に重要です。

心斎橋のブランド店舗と、 北堀江のマンション。

なんばの商業地と、 大正区の住宅。

本町のオフィスと、 南港の物流・事業用地。

仮に行政上同じ特別区へ入っても、 それぞれの不動産市場は全く同じにはなりません。

不動産価格は 「第3区になったから同じ」 ではなく、 駅、 通り、 土地利用、 建物、 賃料、 購入者層によって決まります。

心斎橋・堀江の価格を決めるのは、 最終的には街そのものです。

心斎橋なら、 御堂筋、 長堀通、 心斎橋筋商店街、 大丸、 PARCO、 なんばとの回遊。

北堀江なら、 四ツ橋駅、 西大橋駅、 心斎橋への距離、 マンション需要、 店舗需要、 住環境。

こうした実需の方が 行政区名以上に 不動産価値へ直接影響します。

心斎橋の街並み 堀江周辺
BOTH SIDES

不動産所有者として、 賛否とは別に確認したい論点。

論点 期待される方向 慎重に確認すべき点
広域行政 大規模なまちづくりや都市基盤整備を 広域自治体へ集約 実際に意思決定が速くなるかは 制度運用後でなければ分からない
副首都 国の機関・企業・投資を 大阪へ呼び込む政策への期待 具体的に何が大阪へ移転・投資されるのかを 個別に確認する必要
特別区 住民に近い行政を 各特別区で行う考え方 財源・職員・施設など 最終的な制度設計を確認する必要
地価 都市投資が増えれば 需要増加につながる可能性 制度変更だけで 地価が上昇するとは言えない
区名 新しい都市ブランド形成の可能性 現在の中央区・西区等の認知が変わることで 一時的な分かりにくさも考えられる
行政コスト 重複行政の整理をめざす 再編時のコスト、 システム・庁舎・住所等の移行も確認が必要
POLITICAL NEWS ≠ PROPERTY PRICE

政治的な賛否と、 不動産査定は分けて考えます。

都構想に賛成か反対かという判断と、 「所有しているマンションはいくらか」 「この土地はいくらで売れるか」 「一棟ビルの収益価格はいくらか」 という不動産評価は別の問題です。 心斎橋不動産では、 政治的な評価ではなく 実際の取引事例・賃料・立地・土地建物条件をもとに 不動産を確認します。

COMMON QUESTIONS

固定資産税は上がる? 住所はどうなる?

都構想だから固定資産税が上がる、 とは現時点では言えません。

「大阪都構想になれば固定資産税が上がる」 「逆に安くなる」 という情報を見かけることがあります。

しかし、 現在の制度設計は 税源配分や財政調整について まだ協議が進んでいる段階です。

特別区が設置されたことだけを理由に 固定資産税負担が 自動的に上がる、 下がると断定することはできません。

住所についても、 最終制度を確認する必要があります。

現在の 「大阪市中央区」 「大阪市西区」 といった行政区分は、 特別区が実際に設置されれば 変更されることになります。

ただし、 特別区の正式名称自体が まだ確定していません。

登記、 住民票、 会社所在地、 各種契約書、 不動産広告等の具体的な取扱いについては、 最終的な制度と移行措置を確認する必要があります。

「大阪府」が「大阪都」になるのも自動ではありません。

2026年に成立した副首都関連の法律では、 特別区を包括する副首都が 道府県から「都」への名称変更を申請できる制度が 設けられています。

しかし、 特別区ができれば その瞬間に必ず「大阪都」になる、 という制度ではありません。

名称変更には 別途手続きが必要です。

INVESTMENT VIEW

投資家・不動産オーナーは、 都構想の「何」を見ればいい?

1.具体的な再開発計画

不動産価格に直接影響しやすいのは、 制度名より 実際の開発計画です。

新駅、 鉄道延伸、 大型商業施設、 オフィス、 ホテル、 公共施設、 道路整備。

こうした具体的な事業が どこで進むかを確認します。

2.企業・人口の流れ

副首都政策によって 企業や国の機関が大阪へ移転するのであれば、 オフィス需要だけでなく、 住宅需要や店舗需要へ 波及する可能性があります。

重要なのは 「副首都になるらしい」 という期待だけではなく、 実際の移転人数や企業数です。

3.賃料

収益物件では、 地価ニュース以上に 賃料が重要です。

家賃が上がるのか。 店舗賃料が上がるのか。 オフィス空室率が下がるのか。

収益力が変わって初めて、 不動産価格へ具体的な影響が出てきます。

4.金利

不動産市場では 行政制度以上に 金利が価格へ大きく影響することがあります。

特に一棟収益、 投資用マンション、 事業用不動産では、 融資金利と投資利回りの関係を 無視できません。

5.建築費

新築マンションや 再開発事業では、 建築費の上昇も価格形成へ強く影響します。

都構想だけで 大阪の不動産市場を説明することはできません。

RYOSUKE MURAKAMI

村上 諒恭が考える、 都構想と大阪の不動産。

心斎橋不動産 村上諒恭
STAFF BLOG
村上 諒恭
心斎橋不動産 店長・宅地建物取引士

不動産の仕事をしていると、 大きなニュースが出たときに 「これで地価は上がりますか?」 と聞かれることがあります。

大阪都構想も同じです。

ですが、 私は一つのニュースだけで 不動産価格を判断しない方がよいと考えています。

心斎橋なら、 心斎橋駅からの距離。 御堂筋との位置関係。 心斎橋筋商店街の人流。 店舗需要。

堀江なら、 四ツ橋駅・西大橋駅との距離。 住環境。 マンション需要。 店舗の回遊。

本町なら、 オフィス需要。 マンション需要。 御堂筋との位置関係。

同じ特別区になったとしても、 不動産の価値を決める条件は それぞれ違います。

一方で、 副首都の実現によって 大阪へ実際に企業や投資が集まり、 新しいインフラやまちづくりが進めば、 中長期的に街が変わる可能性はあります。

だから私は、 「都構想で上がる・下がる」 ではなく、 何が本当に変わったのかを 一つずつ確認していきたいと思っています。

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都構想、副首都、再開発、地価上昇。 大阪では大きなニュースが続いています。 しかし所有不動産の価格は、 市場全体のニュースだけでは決まりません。 マンション、土地、一棟ビル、店舗、収益不動産など、 現在の市場価格を個別に確認します。 まだ売却を決めていない段階でも構いません。

FAQ

大阪都構想と不動産について よくある質問。

2026年現在、大阪都構想は決まったのですか?
いいえ。 2026年10月時点では、 4特別区の区割り案など制度設計が進んでいる段階です。 特別区設置そのものはまだ決定していません。
大阪市はなくなるのですか?
現在検討されている特別区制度が承認され、 実際に施行される場合は、 政令指定都市としての大阪市を廃止し、 4つの特別区を設置する制度となります。
大阪府は自動的に大阪都になるのですか?
いいえ。 特別区設置と同時に自動的に大阪府の名称が 大阪都へ変わるという単純な仕組みではありません。 副首都指定や名称変更については 別途法定手続があります。
4特別区はどのような区割りですか?
現在の案では、 第1区が此花・西淀川・淀川・東淀川、 第2区が北・都島・福島・旭・城東・鶴見、 第3区が中央・西・港・大正・浪速・住之江・西成、 第4区が天王寺・東成・生野・阿倍野・住吉・東住吉・平野です。
中央区と西区は同じ特別区になりますか?
現在の4区案では、 中央区と西区はいずれも第3区案に含まれています。 ただし特別区の正式名称はまだ決まっていません。
大阪都構想が実現すると地価は上がりますか?
都構想だけを理由に地価が上がるとは断定できません。 地価は人口、駅、企業立地、賃料、再開発、 観光需要、金利など複数の要因によって決まります。
心斎橋や堀江の不動産価格にも影響しますか?
行政制度変更だけで直ちに価格が変わるとは言えません。 副首都関連の具体的な都市投資や再開発、 企業立地、人流などが実際に変化した場合には 中長期的に影響する可能性があります。
都構想になると固定資産税は上がりますか?
現時点で、 都構想を理由に固定資産税が必ず上がる、 または下がると断定できる正式情報はありません。 税源配分や財政調整については制度設計を確認する必要があります。
現在の中央区・西区という住所は変わりますか?
特別区制度が実際に施行されれば 行政区分は変更されることになります。 ただし新しい特別区名や 詳細な住所表記はまだ確定していません。
住民投票はいつですか?
2026年10月時点では、 正式な住民投票日を確定情報として示す段階ではありません。 協定書案をまとめ、 府議会・市会双方で承認された場合に 住民投票へ進む手続きです。
大阪市の地価は現在上がっていますか?
多くの地点で上昇しています。 2026年地価公示では 道頓堀、西心斎橋、北堀江、立売堀など 大阪市中心部で高い上昇率となった地点があります。 ただし場所によって状況は異なります。
都構想を見越して今売るべきですか?
都構想だけを理由に売却時期を決めることはおすすめしません。 現在価格、物件状態、ローン、賃料、 売却目的、今後の保有計画などを総合して判断します。
大阪市の不動産価格だけ確認することはできますか?
はい。 まだ売却を決めていない段階でも、 マンション、土地、戸建、一棟ビル、 店舗・収益不動産などの査定相談を承っています。
SHINSAIBASHI REAL ESTATE / OSAKA

大阪が変わるニュースと、
所有不動産の価格は分けて考える。

大阪都構想、副首都、再開発、 御堂筋、心斎橋、梅田、なんば。 大阪の街にはこれからも大きな変化が予定されています。 ただし、一つのニュースだけで 不動産価格が決まることはありません。 心斎橋不動産では、 現在の市場、立地、建物、土地、 賃料、取引事例を確認しながら 一つひとつの不動産を個別に見ています。

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